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消化器編<犬の嘔吐、放置しても大丈夫?見極めるべき危険なサイン>
2025/01/07
はじめに
愛犬が突然吐くと心配になりますよね。
「食べ過ぎかな?」と軽く考えがちですが、嘔吐には命に関わる病気が隠れていることもあります。
この記事では、犬の嘔吐の原因、危険なサイン、対応方法についてわかりやすく解説します。
1. 犬の嘔吐の主な原因
嘔吐の原因は多岐にわたります。
一般的なものから緊急性の高い病気まで、以下のようなものが挙げられます:
① 生理的な原因
- 食べ過ぎ・早食い:一度に大量に食べたり、急いで食べることで嘔吐することがあります。
- 空腹嘔吐:空腹が続き胃酸が過剰に分泌されることで起こります。
② 消化器の異常
- 異物誤飲:おもちゃや布などの誤飲により嘔吐が引き起こされます。
- 胃炎・腸炎:感染症や刺激物による炎症。
- 胃拡張・胃捻転症候群(GDV):胃がガスで拡張し、ねじれることで激しい嘔吐や「吐こうとしても吐けない」状態になります。命に関わる緊急事態であり、すぐに受診が必要です。
③ 全身性の病気
- 慢性腎臓病:尿に排泄されるべき毒素が体内に蓄積することで嘔吐が引き起こされやすくなります。
- 腎炎:腎臓の炎症により嘔吐がみられることがあります。
- 肝機能低下:肝臓で解毒されるべき毒素が蓄積することで嘔吐が起こりやすくなります。
- 肝炎:肝臓の炎症が嘔吐の原因となる場合があります。
- 胆のう破裂:胆のうが破裂するとおなかの中に胆汁が漏れ出し、重度の炎症や嘔吐を引き起こします。
- 胆管閉塞:胆石や腫瘍により胆汁の流れが妨げられ、嘔吐や黄疸を伴うことがあります。放置すると胆のう破裂につながることもあります。
- 膵炎:膵臓の炎症による腹痛や嘔吐が見られます。脂肪分の多い食事が引き金となる場合があります。
④ 感染症
- ウイルス感染(パルボウイルスなど):激しい嘔吐を伴います。
- 寄生虫:消化管内に寄生する虫が原因になる場合があります。
2. 危険な嘔吐のサイン
次のような症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診してください:
- 1日に何度も嘔吐が続く、または数日間にわたる嘔吐。
- 吐しゃ物に異常がある:血液や異物、便臭のある吐しゃ物。
- 腹部がとても痛そうにしている:膵炎や胆のう破裂が疑われます。
- 黄疸:皮膚や粘膜が黄色くなる(胆管閉塞を示唆)。
- 吐こうとしても吐けない:胃捻転など命に関わる緊急事態の可能性があります。
3. 犬が嘔吐したときの対応方法
嘔吐が見られた際は、次のように対処しましょう:
① 観察する
- 吐しゃ物の内容(食べたもの、血液、異物の有無、便臭)を確認。
- 嘔吐の回数やタイミングを記録します。
② 食事や水を控える
- 嘔吐直後に食事や水を与えると症状が悪化することがあります。少なくとも1~2時間は様子を見ましょう。
③ 危険なサインがあれば速やかに受診
- 上記の「危険な嘔吐のサイン」に該当する症状がある場合は、すぐに動物病院を受診してください。
4. 嘔吐を予防するには?
嘔吐を防ぐために、日頃からの生活管理が重要です:
- 適切な食事管理:一度に大量に食べさせない。空腹時間が長くならないようにする。
- 異物誤飲の防止:危険なものを犬の手の届く場所に置かない。
- 健康チェックの習慣化:特に高齢犬や基礎疾患のある犬は定期的に健康診断を受けましょう。
まとめ
犬の嘔吐は軽い場合もありますが、命に関わる病気が隠れていることもあります。
1日に何度も吐く、便臭のある吐しゃ物がある、黄疸が見られるなどの症状がある場合は、速やかに動物病院を受診してください。
当院では、犬の消化器疾患をはじめとする診療を行っています。嘔吐が続く場合はお気軽にご相談ください!
南大和どうぶつ病院は犬猫を対象とした動物病院です。
病院は神奈川県大和市の小田急江ノ島線高座渋谷駅から徒歩7分にあります。
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腎泌尿器科、循環器科の診療に力を入れていて、水素治療にも取り組んでいます。
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