カテゴリ:泌尿器編

泌尿器編<犬と猫の多尿は慢性腎臓病の初期サイン?飼い主が知っておくべきこと>

2024/12/05

はじめに

犬や猫のトイレの回数や尿の量が増えているのを見て、「お水をたくさん飲んでいるから健康的」と思ったことはありませんか?
実は、多尿は慢性腎臓病の初期サインであることが多いです。
さらに、同じように多尿を引き起こす疾患が他にもあるため、注意が必要です。
今回は、多尿の原因となる疾患や診断方法について詳しく解説します。




多尿が初期サインになる理由

慢性腎臓病では腎臓の濃縮機能が低下し、尿が薄くなり量が増えることがあります。これが多尿です。
飼い主が見逃しがちな理由の一つは、「尿がたくさん出ているから健康」と誤解しやすいこと。尿の量が増える状態が病気のサインであることを正しく理解することが大切です。




多尿を引き起こすその他の疾患

慢性腎臓病以外にも、多尿を引き起こす疾患は数多くあります。以下は代表的なものです:

  1. 腎臓関連の疾患

    • 慢性腎臓病
    • 急性腎障害(初期段階で多尿になる場合があります)
  2. 内分泌系の疾患

    • 糖尿病
    • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症 特に犬)
    • 甲状腺機能亢進症(特に猫)
    • 尿崩症(抗利尿ホルモンの異常)
  3. 肝臓疾患

    • 肝不全
  4. 電解質異常や代謝性疾患

    • 高カルシウム血症(悪性腫瘍や副甲状腺機能亢進症に関連)
    • 低カリウム血症
  5. 心因性の原因

    • 心因性多飲症
  6. 投薬や外因性の影響

    • 利尿剤やコルチコステロイドの使用
  7. 感染症や炎症性疾患

    • 子宮蓄膿症(犬)



多尿の原因を特定するための診断方法

多尿の背景には複数の疾患が存在するため、正確な診断が重要です。動物病院では以下の検査を組み合わせて鑑別診断を行います:

  1. 血液検査

    • 腎機能や肝機能、血糖値、電解質の異常を確認します。
  2. 尿検査

    • 尿比重や尿中の糖、たんぱく質の有無を調べ、腎機能や糖尿病の可能性を探ります。
  3. ホルモン検査

    • クッシング症候群や尿崩症、甲状腺機能亢進症を評価します。
  4. レントゲン検査

    • 腎臓や肝臓、腫瘍の存在を確認します。
  5. 超音波検査

    • 腎臓や膀胱、子宮の状態を詳しく観察します。



飼い主が注意すべきサイン

次のような症状が見られたら、早めに動物病院で診察を受けてください:
✔️ 水を飲む量が増えた
✔️ トイレの回数が増えた
✔️ 1回の尿の量が増えている
✔️ 食欲不振や嘔吐、元気がない




まとめ

多尿は慢性腎臓病の初期サインだけでなく、他の病気の兆候でもあります。

早期発見と治療が健康維持の鍵です。

「なんとなくおかしい」と感じたら、早めに動物病院で診察を受けましょう。

当院では腎臓病をはじめとする泌尿器系疾患の検査や治療を行っていますので、ぜひご相談ください。




南大和どうぶつ病院は犬猫を対象とした動物病院です。
病院は神奈川県大和市の小田急江ノ島線高座渋谷駅から徒歩7分にあります。
綾瀬市、藤沢市、横浜市からのアクセスも良好で、駐車場を4台完備しています。
腎泌尿器科、循環器科の診療に力を入れていて、水素治療にも取り組んでいます。

当院は予約優先性診療となっていますので、ご予約はこちらからお願いいたします。

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